すべての愛を君だけに。

そのままHRは終わって教室から歩ちゃんが出ていく。


黒板の左側に書かれた今日の時間割には社会科目の文字は無かった。






「望月先生に呼び出しなんて、雨何したの?」


「ねえ、なーちゃん遊びに行くの今日の放課後じゃだめ?」


「何言ってんの、望月先生に呼び出されてるんでしょ?」


「…行きたくない」


「行きたくないって…いつもだったら喜んで行ってるじゃん」






そう…なんだけど。


前のわたしだったら飛び跳ねるほど嬉しくてどうにかなっちゃいそうなくらいだった。


だけど今は違う。


会って何話せばいいかわからない。


あの日、どうして突然帰ったんだって聞かれたって言えるわけない。


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