すべての愛を君だけに。
「……雨と?」
「そう!歩のお兄さんご夫婦、いつ帰ってくるか分からないんでしょ?先に雨ちゃんだけでもって思って。この前はちゃんと挨拶できなかったから」
まだ自分の中で今日のことを整理しきれてないから、あんまり考えたくない。
ちゃんと紹介、しようと思ってたんだけどな…。
小さくひとつ深呼吸をする。
「兄貴たちが帰ってきてからでいいよ」
「えー、でも雨ちゃん1人で暮らしてるんでしょ?仲良くなっておけば、私に相談しやすいだろうし!ほら、女の子同士でしか話せないこともあるしー?」
『…話したいことなんてないよ』
頭の中で響く。
沙織が食事に行きたがってるけど雨は今、俺に会いずらいだろうから…誘うのは今度にしよう。