すべての愛を君だけに。
「中間の勉強か?」
「うん!なーちゃんに教えて貰ってるんだー」
「望月先生…ちょっと変わってもらっていいですか?」
なーちゃんが席を立つ。
不思議そうな顔の歩ちゃんに
「わたしが説明しても一生解けないので」
「湯川の解説分かりやすいだろ」
「雨には通じないみたいなので。わたしは下で飲み物買ってきます」
カバンからお財布を取りだして教室を出ていくなーちゃん。
…歩ちゃんと2人っきりだ!!
心の中でなーちゃんに感謝の土下座をする。
「数学教師じゃないんだけど……どれどれー?」
歩ちゃんが机の横にしゃがみこむ。
身長の高い歩ちゃんとほぼ同じ目線になる。