すべての愛を君だけに。

一瞬でパニック。






「歩ちゃん…っ、降ろして…!」


「暴れんな、動けないんだろ」


「もう大丈夫!もう動けるか、らっ」


「いいから大人しくしてろ」






ちらっとわたしを見た顔が怒ってる。


なんで怒ってるの!
怒りたいのはわたしの方!!


お姫様抱っこされるのは初めてじゃない、けどあの時はわたしの意識が無かったし…!


今は学校の人だけじゃなくてたくさん人がいて…歩ちゃんに声をかけてた女の人もたくさんいる。


視線が痛すぎる。
耐えられない…!!






「みんな見てるから!」


「じゃあ見るな、俺だけ見てろ」


「…っ…」






それも無理!!
こんな近い距離で歩ちゃんを見るなんて…。


強く、早く、打っている心臓の音聞かれそう…。


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