すべての愛を君だけに。
ずるい、ずるいずるいずるい。
歩ちゃんはいつもずるい。
わたしの気持ち知ってて、わたしは姪だって言ったくせに、なんでそんなわたしの心を乱すの。
「降ろすぞ」
誰もいない保健室に連れてこられたわたしは、ベッドの上にゆっくり丁寧に降ろされる。
腰かけるようにわたしを降ろし、前にしゃがみこんだ歩ちゃんはわたしの顔を覗き込む。
その仕草にドキッと鳴る心臓。
とっさに顔を逸らして逃げる。
「もう、大丈夫だから…1人でいいよ」
「大丈夫じゃない、今日ずっと体調悪いんだろ」
「なんで知って…!」
「こっち向いた」
そう言って微笑む……いや、目が…怒ってる歩ちゃんの方を見てしまった。