すべての愛を君だけに。
「ずっと体調悪かったのか」
「なっ、…騙したの!?」
「別に騙したつもりない」
伸びてきた手がおでこを包み込む。
…温かい。
わたしとは違う大きくてやさしい歩ちゃんの手が大好き。
「熱は…無さそうだな」、そう言いながらおでこの手を滑らせ今度は頬を包む。
「なんで体調が悪いの言わないんだ」
「別に、歩ちゃんには関係ない…」
「関係ある」
「わたしが…姪だから?それとも、お父さんに頼まれてるから?…もう聞き飽きたよ」
顔を逸らそうとすると添えられた手にグッと力を込められて逸らすことが出来なかった。
きっと今わたし、顔まで真っ赤だ。
まだ、まだ歩ちゃんが好きだって。
バレてしまいそうなくらい。