すべての愛を君だけに。
ピクっと肩を動かしたのをわたしは見逃さなかった。
おっ、これは効いてる…!!
「もー!歩ちゃんったら、気になりすぎてるんだから!呼び出したのだってほんとは」
「………ら」
「へ?なに?」
よく聞いてなかったら歩ちゃんが何か言ってたことに気づかなかったかもしれない。
それくらいわたしは歩ちゃんと距離が近かった。
こちらに向けた歩ちゃんの顔は…。
「…気になってるって言ったら、どうする?」
見たことないくらい、赤くなっていた。
距離が近いせいで、煙草の匂いが強い。
「あ、歩ちゃん…?」
「雨が俺の事、好きだって言うから。…大事な姪だったのに」