すべての愛を君だけに。

「……雨、……雨」


「…ん…?」






名前を呼ばれて薄目を開ける。


目の前にはわたしの顔を覗き込んでいる歩ちゃん。






「…わー…かっこいい…」


「かっこいいのはわかったから起きろ、着いた」






着いた………着いた!?


バッと起き上がると歩ちゃんがびっくりして覗き込む体制から元に戻る。


寝ちゃった!?
せっかくの歩ちゃんとのドライブだったのに…!






「ごめんなさい!わたし寝てた…」


「なんで謝るんだ?夜も遅いし仕方ない」


「だって運転してもらってるのに寝ちゃったし…もう家に着いちゃったし…」


「そんなことで謝らなくていい、眠たかったなら寝ればいいだろ。それに家になんて着いてないぞ」


< 229 / 393 >

この作品をシェア

pagetop