すべての愛を君だけに。
ビューっと強い風が吹いて、体が震える。
やっぱりこの時期の夜は寒い。
マフラーしてくればよかった。
わたしの後ろにいる歩ちゃんの方を振り返ろうとした時、後ろから抱き締められる。
さっきまで寒かったはずなのに一気に体温が上がる。
「寒いだろ、もう車戻ろうか?」
「……このままがいい」
わたしがそう言うって分かってるくせに、わざわざ聞いてくる歩ちゃんは意地悪だ。
わたしの肩に顎を乗せるたせいで、顔がすぐ近くにあってくすぐったい。
首をすくめたことに気づいたのか顔を余計に近づけてくる。
歩ちゃんが気になりすぎて…夜景が見れない!