すべての愛を君だけに。

その日からというもの、歩ちゃんを避けた。


学校でもなるべく顔を見ないように、歩ちゃんが居そうなところには行かないようにした。


電話も、メールも、出なかったし返さなかった。


“話させて欲しい”

“傷つけてごめん”

“雨、会いたい”


次々に溜まっていくメッセージに返事をしたくても、あの日何があったのか聞くのが嫌で怖くて返せなかった。


何してても保健室出みた光景が頭をいっぱいにする。


忘れたいのに、どうしても忘れられない。


しかも…その時の感情に任せてキスしちゃった…。


余計会いづらい…。


歩ちゃんと仲直りできないまま、お父さん達の帰国の日を迎えてしまった。


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