すべての愛を君だけに。
歩ちゃん…お父さん達には電話でなんて説明したんだろ…。
わたしは沙織先生に視線を移す。
沙織先生は、持っていたフォークを置いて背筋を伸ばしていたところだった。
「その事でお話がありまして」
…話…?
話って…実は別れを切り出されてるけどまだ好きとかそういう話…?
背筋を伸ばして沙織先生の次の言葉に耳をすます。
「お2人に見て頂きたいものがありまして」
そう言ってカバンの中からスマホを取りだし、少し操作した後お母さんとお父さんに見やすいようにスマホをこちら側に向けテーブルに置いた。
…何?
わたしもお母さんの隣の席から覗き込む。