すべての愛を君だけに。

「……雨は、お母さんと家に帰りなさい」


「…え…っ」


「沙織さん申し訳ありません、家族で話し合う時間をください」


「はい、もちろんです。わたしも失礼します」


「お父さんっ、待って…っ」






わたしがお母さんと帰って、沙織先生も帰ったら歩ちゃんはお父さんと2人になってしまう。


ここを離れたら…歩ちゃんにもう会えないような気がする。


絶対嫌だ。
わたしは歩ちゃんが居ないとだめなの。


だから、ここを離れたくない。






「わたしが悪いの!…わたしが歩ちゃんのことを!」


「雨っ!」


「…っ…」






わたしが歩ちゃんのとこを好きになったから、好きって伝えたから、だからわたしが悪いの。


そう言いたかった。


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