すべての愛を君だけに。
歩ちゃんの電話番号もメッセージアプリの連絡先もお父さんとお母さんに消されてしまった。
きっと歩ちゃんの方も食事会の夜、お父さんに言われて消しているだろう。
ぼーっとする頭で涙が横向きに流れるのもそのまま、スマホの画面を開く。
“雨、家にいる?今から行くから”
「なーちゃん…」
なーちゃんからのメッセージ。
今届いたメッセージ以外にもここ数日たくさん送ってきてくれていた。
わたしが学校を辞めたことを知った日から…毎日。
なんて返事をしていいか分からなかったけど、大丈夫とか、ごめんねとか、辞めた理由は濁しつつ返していた。