すべての愛を君だけに。
家、来てくれるの…?
なーちゃんに会うくらいなら許してくれるよね。
“わかった”と一言だけ送ってスマホの画面を切る。
それから40分程経った頃。
コンコンッ。
「雨、お友達来てるけど」
「…今行く」
ベッドから起き上がって部屋を出る。
玄関にはお母さんが心配そうな顔をして立っていた。
…わたしを信じてないって顔をしてる。
「少し外で話してくる」
「でも…寒いし家の中に入ってもらったら?」
「ううん…ちゃんと戻ってくるから」
お母さんに笑いかけて横を通り過ぎ、玄関を出た。
少し前までわたしも着ていた制服姿のなーちゃんが居た。