すべての愛を君だけに。

「なーちゃん…」


「雨っ」






わたしの顔を見るなり泣きそうな顔をして…ギュッと抱き着いてきた。
お互いに何も言わず、少しの間そうやって抱き締めあった。


近くの公園までやってきてベンチに2人で座る。


なーちゃんは自動販売機で買った温かいレモネードを手渡してくれた。






「…ありがと」


「うん。雨、学校辞めるの?」


「……うん」


「なんで?なんかあった?」






そう言って顔を覗き込んでくるなーちゃんに何から話していいのか…。


両手で包み込むように持ったペットボトルをじっと見つめる。






「…望月先生と関係してる?」


「え…?…どうして…」


「望月先生、ここ何日か休んでたの。…それになんか様子が変って言うか…」

< 348 / 393 >

この作品をシェア

pagetop