すべての愛を君だけに。
「なーちゃん…」
「雨っ」
わたしの顔を見るなり泣きそうな顔をして…ギュッと抱き着いてきた。
お互いに何も言わず、少しの間そうやって抱き締めあった。
近くの公園までやってきてベンチに2人で座る。
なーちゃんは自動販売機で買った温かいレモネードを手渡してくれた。
「…ありがと」
「うん。雨、学校辞めるの?」
「……うん」
「なんで?なんかあった?」
そう言って顔を覗き込んでくるなーちゃんに何から話していいのか…。
両手で包み込むように持ったペットボトルをじっと見つめる。
「…望月先生と関係してる?」
「え…?…どうして…」
「望月先生、ここ何日か休んでたの。…それになんか様子が変って言うか…」