すべての愛を君だけに。

歩ちゃんの胸に飛び込んだ瞬間、力強く抱き締められる。


心臓の音さ速く鼓動を打ち、口で乱れた呼吸を整えているのを聞いて必死に探してくれてたことがわかった。



歩ちゃんだ……歩ちゃんだ…っ。
やっと会えた…!


冬なのに体が熱い歩ちゃんの背中に手を回して、コートをギューッと握る。


歩ちゃんの匂い、いつも吸ってる煙草の匂いを久しぶりに感じたせいで涙が出てくる。






「歩ちゃん…っ…わたし…」






わたしがそこまで言ったところで歩ちゃんは抱き締めていた手の力を抜き、体を離す。


久しぶりに見た歩ちゃんは少し痩せたように見え…目に涙をいっぱい浮かべながら微笑んでいた。


< 382 / 393 >

この作品をシェア

pagetop