すべての愛を君だけに。
澄んだ目が…真っ直ぐわたしを見てる。
眼鏡のレンズが光を反射して少し眩しい。
ああ…かっこいいなあ…。
やっぱり歩ちゃんが1番かっこいい。
羨ましいくらい長いまつ毛も、色素の薄い瞳も、茶色のふわふわな髪の毛も、薄い唇も。
全部に触れたい。
全部、独り占めしたい。
頬に添えられた大きな手と手を繋ぎたい。
こんなに好きなのに。
…何も伝えられない、何も届かない。
「顔…赤い」
「…っ」
歩ちゃんがさらに近づいてくる。
空いてる方の手でわたしの前髪を上げ、手を添える。
近すぎ…触りすぎ…!!
どんどん早くなる鼓動に呼吸も苦しくなる。
「熱はないか」
「…熱なんてないよ」
「でも顔赤いから、帰りの時間まで大人しくしてろよ」