すべての愛を君だけに。

顔が赤いのは歩ちゃんのせい!!!


口から出そうなところを飲み込む。






「今度、一緒に飯食べにいこう」


「え…」


「ちゃんと食べてるかの確認」


「だから…食べてるって」






おでこから離れた手は、小指を立ててわたしの目の前に差し出される。


びっくりしているわたしに。






「約束」






そう言う歩ちゃん。


約束、指切り。
なんだか少し前にもこんなことあったような…。


思い出せそうなのに、思い出せない。


歩ちゃんのことで頭がいっぱいで。
パンク寸前。


小指と小指を絡めて、上下に振る。






「夏休みにでも連絡するから」


「……わかった」






微笑む歩ちゃんにまた胸が苦しくなる。


< 68 / 393 >

この作品をシェア

pagetop