すべての愛を君だけに。
…ねえ。
今、わたしが
「…あ、歩ちゃん」
「ん?」
歩ちゃんにほんとの気持ちを伝えたら
「わたし…っ、歩ちゃんの、こと…」
どんな顔するかな、なんて言うかな。
…困った顔、するのかな。
「比嘉さん!大丈夫!?」
口を開いて言葉を発する前に、保健室の扉が勢いよく空いて声をかけられた。
扉の前には…天ヶ瀬くんの姿。
急いで来てくれたのか息が弾んでいた。
離れていく歩ちゃんの手の温もりに名残惜しさを感じる。
「天ヶ瀬くん…」
「ごめん!すぐ行こうと思ったんだけど、試合があって…」
「ううん!大丈夫だよ、ありがとう」