すべての愛を君だけに。
突然のアナウンスにお互い驚いて、唇と唇が触れる直前で動きが止まる。
よかった…よかった、このまま続きをしなくて。
「ごめん」
「…ううん」
頬に添えられた手、腰に回された手、近すぎるくらい近い体も急ぐように離れていく。
体勢を整えた天ヶ瀬くんは何事も無かったかのように天井を見る。
じっと見つめてたから「ん?」と視線に気づいた天ヶ瀬くんと目が合う。
微笑んでから…わたしも見やすいように体勢を整えて天井全体に広がるスクリーンを見る。
さっきまでの出来事の全部が…今隣にいるのが、歩ちゃんだったらいいのにな。
そしたら、どうにかなりそうなくらい嬉しくて。
想像だけで顔がにやけてしまう。