すべての愛を君だけに。
「さっきまで晴れだったのにな、結構濡れたな」
「晴れ予報だったのにね……わたしのせいかも…」
「なんで?」
髪の毛から雫が落ちる。
…水も滴るいい男ってやつ?
いつもより天ヶ瀬くんが色っぽく見える。
「大事な日、いつも雨なの。産まれた日も雨だったから名前、雨なの。お父さんが面白がって日が雨だから雨でいいんじゃないかって」
「なんだそれ、そんなんで名前つけていいの?」
「ほんとに!ほんと適当すぎるのうちの親…」
わたしの話を聞いて笑う天ヶ瀬くんは「やばすぎる…っ」て、そのうちお腹を抱えて静かに笑い出す。
…ツボに入ってる?