すべての愛を君だけに。

「さっきまで晴れだったのにな、結構濡れたな」


「晴れ予報だったのにね……わたしのせいかも…」


「なんで?」






髪の毛から雫が落ちる。


…水も滴るいい男ってやつ?
いつもより天ヶ瀬くんが色っぽく見える。






「大事な日、いつも雨なの。産まれた日も雨だったから名前、雨なの。お父さんが面白がって日が雨だから雨でいいんじゃないかって」


「なんだそれ、そんなんで名前つけていいの?」


「ほんとに!ほんと適当すぎるのうちの親…」






わたしの話を聞いて笑う天ヶ瀬くんは「やばすぎる…っ」て、そのうちお腹を抱えて静かに笑い出す。


…ツボに入ってる?


< 85 / 393 >

この作品をシェア

pagetop