すべての愛を君だけに。
同い年なはずなのに
自分が随分子どもに思える。
早く大人になりたい
もっと大人になりたい。
大人になって歩ちゃんに子ども扱いされないようになりたい。
大人になって歩ちゃんの隣を堂々と歩けるようになりたい。
「雨」
「…へ?雨、がどうかした?」
「そうじゃなくて……雨って呼んでもいい?」
「急に?」
「急じゃない、ずっと呼びたかった」
雨が、天ヶ瀬くんの頬から顎先に伝って落ちる。
天ヶ瀬くんはいつも真っ直ぐわたしのことを見てくれていて。
ほんとに素敵で優しい。
濡れた服が体にピタッと張り付いて鍛えられてるのがよくわかる。
わたしとは違う、男の人の体格。