すべての愛を君だけに。

歩ちゃんは…どんな感じだったけ。
天ヶ瀬くんよりも筋肉…ない、感じかな。






「いいよ、好きに呼んで」


「ほんと?じゃあ雨も俺の事、名前で呼んで」


「え!わたしも?」


「ん」


「…そのうちね」


「だめ、今」


「今は、無理……っくしゅん!」






寒くてくしゃみが出た。



雨に濡れちゃったからかな。
天ヶ瀬くんも結構濡れちゃってるし…。






「ごめん、濡れてそのままだったな…どっか店入ってタオルでも買おう」


「うん、天ヶ瀬くんも平気?」


「慶、な」






そう言って微笑む天ヶ瀬くんは、わたしと手を繋ぎ直して商業施設に入る……時。


よく見慣れた姿を見た。
絶対見間違えるはずなくて、今日はずっとその人のことを考えてた。


会いたすぎて、幻覚が見えたのかと思ったけど






「比嘉?」


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