すべての愛を君だけに。
まだ酷い雨が降り続いていた。
そんな中を全力で走った。
後ろから呼ぶ声にも振り返らなかった。
振り返れなかった。
雨なのか、涙なのか
頬を流れては足元に落ちて消えていく。
大好き
歩ちゃん、大好き。
授業してる姿も
煙草吸ってる後ろ姿も
心配してくれるところも
優しいところも
かっこいいところも
長いまつ毛も
笑った顔も
微笑んだ顔も
全部全部全部全部
大好きなの。
好きで…どうしようもなくて
自分じゃどうしようもできなくて。
苦しさと胸の痛みと、歩ちゃんへの気持ちから逃げたい。
…全部忘れられたらいいのに。