迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「奈緒ちゃんのことがなくても、山科家とは長い付き合いだから、いきなり手を切るような真似はできない」

 強い意志を滲ませる口調だ。私は唾をごくりと飲み込んだが、お義父さんを見据える橙吾さんの鋭い目つきはまったく変わらない。

「それなら、今後俺たち家族にかかわらないと約束させてほしい。その対価として、これからも援助をすればいい」

「まあ、そうなるか」

 あっさり意見を呑んだお義父さんは、しれっと箱に残っているケーキを取り出す。

 余分に持ってきてよかった。

 ここまでわかりやすくケーキへの情熱を持っている人とかかわりがないので、パティシエのやりがいを感じさせてもらえる。

「橙吾たちが帰ったら、山科さんに電話するよ。こっちで解決させるから、安心してほしい。桃花さん、迷惑をかけて悪かったね」

 恐縮して頭を下げる。
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