迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「新商品の開発がしたいんですけど、いいですか?」
からっとした口調で願い出ると店長は苦笑いをこぼした。
先ほどの男性客ほどではないが、百七十七センチあって肩幅が広くがっしりしている店長は、最近若白髪が目立つからと髪色をかなり明るく染めている。
色白の目元には隈が目立つが、穏やかで明るい性格だからか疲労感はそこまで伝わってこない。
働き始めてわりとすぐから〝ももちゃん〟と親しみを込めて呼んでくれている。面接の際に、ケーキによく使う桃にちなんだいい名前だと、褒めてもらえたのが今も印象深く残っている。
「大丈夫か?」
私より店長の方が比べ物にならないくらい大変で、心配されるべき立場なのに。
こうしていつも気遣ってくれる人柄に惹かれ、彼のもとで学びたいと思ってここに就職したことを日常的に思い出させてくれる。
「倒れて迷惑はかけないので、ご安心を」
おどけた調子で笑って返すと、店長は複雑そうな表情になりながらも好きにさせてくれた。
自分が考えた商品がショーケースに並ぶなんて、パティシエとしてこんなに名誉なことはない。辛い下積み時代を三年経験してようやく一人前となり、今ではいろいろな場面で私を信用して任せてもらっている。
からっとした口調で願い出ると店長は苦笑いをこぼした。
先ほどの男性客ほどではないが、百七十七センチあって肩幅が広くがっしりしている店長は、最近若白髪が目立つからと髪色をかなり明るく染めている。
色白の目元には隈が目立つが、穏やかで明るい性格だからか疲労感はそこまで伝わってこない。
働き始めてわりとすぐから〝ももちゃん〟と親しみを込めて呼んでくれている。面接の際に、ケーキによく使う桃にちなんだいい名前だと、褒めてもらえたのが今も印象深く残っている。
「大丈夫か?」
私より店長の方が比べ物にならないくらい大変で、心配されるべき立場なのに。
こうしていつも気遣ってくれる人柄に惹かれ、彼のもとで学びたいと思ってここに就職したことを日常的に思い出させてくれる。
「倒れて迷惑はかけないので、ご安心を」
おどけた調子で笑って返すと、店長は複雑そうな表情になりながらも好きにさせてくれた。
自分が考えた商品がショーケースに並ぶなんて、パティシエとしてこんなに名誉なことはない。辛い下積み時代を三年経験してようやく一人前となり、今ではいろいろな場面で私を信用して任せてもらっている。