迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「それでね、新店舗の店長をももちゃんに任せたいと考えているんだけど、どう?」

 あまりに普通の調子で打診されたので、さっき叫んだばかりだし、これ以上大きなリアクションを取れなかった。でも内心激しく動揺して頭が真っ白になっている。

「ももちゃんがいなくなると困るけど、任せられる人間は誰だろうって考えたときに、ももちゃんが最初に浮かんでさ」

 店長は一度も視線を逸らさず、まっすぐに私を見つめている。どれほど真剣に話をしているのかが伝わって、動揺ではない別の感情が拍動を強くした。

 尊敬している店長に、ここまで期待してもらえるなんて嬉しい、本当に。

「お姉さんが千葉に住んでいるし、向こうに引っ越したら会いやすくもなるのかなって。勝手なお節介だけど」

 店長には家庭の事情を話していたので、姉が結婚して東京を離れてからは困った状況に見舞われたときに助けてもらっていた。

 私を想っての言葉に鼻の奥がつんとする。
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