イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。

「借金は私の問題なんだから。琳は関係ないでしょ」

「あ、うん、まぁ、そうだろうけど……でも、私は瑠奈の親友だからね。頼っていい存在なんだから。だからそれは忘れないで」

「……うん、分かった。ありがと」


 けれど、琳は友達思いなところもある。私にも、ずっと優しく接してくれた。だから、そこまで強くは言えない。ありがとう、琳。

 で、その腕時計は? と聞かれたのでこちらも説明をした。

 それは、お見合い後の帰り際の事。彼は左腕の手首に付けていた腕時計を外し私に渡してきた。


『支給品。付けてろ』

『えっ……それ、あなたのですよね……?』

『湊』

『え?』

『彼女役だろ』

『……はい、湊さん』

『明日から俺は予備を付けて出勤するつもりだ。そうすれば必ず同僚は気付いてツッコんでくる。その時、彼女が出来たという話を出す』

『……なるほど』


 と、いうことになった。
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