幽霊姫は止まれない!
第二十一話 空中デートはロマンチックに
突然ひとりにされた私は、お会計中のオスキャルを待ちつつ窓の外へと視線を向ける。
「……え、あれって」
すると、なんと外の通りを整った顔立ちをした黒髪の青年が通りすぎた。その青年はまさに探していたミック公爵令息で、しかもなんと隣には彼と同じ長いストレートの黒髪が美しい令嬢を連れている。
「ビンゴじゃない!」
その彼女が彼に嘘を教えた張本人かはわからないが、探していた人物が現れたことに興奮しつつ、慌てて店内から出る。逃すわけにはいかないと、不自然にならないように適度に距離を保ちながら早速尾行を開始した。
「…………で、…………のオ…………」
「……いや、かの…………だよ」
(もう少し近付かないと声までは聞こえないわね)
途切れ途切れで会話は全然聞き取れない。だが彼らの雰囲気からかなり親しいようだった。何か手掛かりを得ねばと少しずつ彼らと距離を詰めつつ耳をすませる。
「…………オス……ャル……まを……」
(オスキャル?)
「……え、あれって」
すると、なんと外の通りを整った顔立ちをした黒髪の青年が通りすぎた。その青年はまさに探していたミック公爵令息で、しかもなんと隣には彼と同じ長いストレートの黒髪が美しい令嬢を連れている。
「ビンゴじゃない!」
その彼女が彼に嘘を教えた張本人かはわからないが、探していた人物が現れたことに興奮しつつ、慌てて店内から出る。逃すわけにはいかないと、不自然にならないように適度に距離を保ちながら早速尾行を開始した。
「…………で、…………のオ…………」
「……いや、かの…………だよ」
(もう少し近付かないと声までは聞こえないわね)
途切れ途切れで会話は全然聞き取れない。だが彼らの雰囲気からかなり親しいようだった。何か手掛かりを得ねばと少しずつ彼らと距離を詰めつつ耳をすませる。
「…………オス……ャル……まを……」
(オスキャル?)