幽霊姫は止まれない!
彼女の気持ちに気付いてしまったからか、少し気まずくなりつつ返事をした私にそうハッキリと告げたイェッタ。そんな彼女の言い分に思わずムッとしてしまう。
ソードマスターの結婚相手の条件は自国の相手であることのみで、貴賤は問わない。
ならば考えられる理由はあとひとつだ。
「それは魔力がないからって意味かしら?」
「えぇ。そうよ」
あっさりとそう断言され、私は更に苛立った。
平民に魔力はほぼない。だが貴族にだって半々だ。それに実際の私は平民どころか王族で、彼女にオスキャルとの付き合いを言われるいわれなどないどころか、王族である私に一介の貴族令嬢がそんなことを言う資格など当然ない。不敬罪や、場合によっては反逆罪で投獄することだってできる。それほどまでに王族の結婚とは重要だからだ。
けれど、私に魔力がないことは事実で、だからこそオスキャルの相手として不足していると言われたように聞こえ、つい口ごもってしまう。
「……貴女はあるの、魔力」
「少しだけね」
そう一言だけ返事をした彼女だが、何故か『だから貴女とは違い私には権利があるの』なんて嫌みまで言われた気がした。
ソードマスターの結婚相手の条件は自国の相手であることのみで、貴賤は問わない。
ならば考えられる理由はあとひとつだ。
「それは魔力がないからって意味かしら?」
「えぇ。そうよ」
あっさりとそう断言され、私は更に苛立った。
平民に魔力はほぼない。だが貴族にだって半々だ。それに実際の私は平民どころか王族で、彼女にオスキャルとの付き合いを言われるいわれなどないどころか、王族である私に一介の貴族令嬢がそんなことを言う資格など当然ない。不敬罪や、場合によっては反逆罪で投獄することだってできる。それほどまでに王族の結婚とは重要だからだ。
けれど、私に魔力がないことは事実で、だからこそオスキャルの相手として不足していると言われたように聞こえ、つい口ごもってしまう。
「……貴女はあるの、魔力」
「少しだけね」
そう一言だけ返事をした彼女だが、何故か『だから貴女とは違い私には権利があるの』なんて嫌みまで言われた気がした。