幽霊姫は止まれない!
第六十一話 口車に歯乗せられない
「そんなことないわ、知りたいはずよ。王城で過ごしてわかったことだけど、姫様は家族にも愛されてる。それなのに格下である貴族から幽霊姫と呼ばれて正当な評価を受けていないのは、貴女自身が幽霊姫でいることを望んでいるからよね」
突然図星を指摘され、思わず口ごもってしまう。
侍女が少ないのも、本当は家族から溺愛されるお転婆だとバレないよう口の堅いものを少数しか入れてないから、他の貴族からは侍女すらつけてもらっていないと思われているだけなのだ。流石ナンバーワン娼婦、携える笑みは聖女なのに、完全に獲物を狩る性女だとごくりと唾を呑む。
「それを、監視のためとはいえ内側に入った私からどう見えたのか、知りたくないはずないの」
「別に私は知りたくなんか……」
「本当に? 他でもないこの人間関係のスペシャリストである私の評価を、どこが子供ではなく大人だと思ったのかを、本っ当に知りたくないの?」
笑みを崩さず小首を傾げた彼女にドキリとする。
別に、知らなくても、私は聖女が言っていたように大人。自己分析くらい──
突然図星を指摘され、思わず口ごもってしまう。
侍女が少ないのも、本当は家族から溺愛されるお転婆だとバレないよう口の堅いものを少数しか入れてないから、他の貴族からは侍女すらつけてもらっていないと思われているだけなのだ。流石ナンバーワン娼婦、携える笑みは聖女なのに、完全に獲物を狩る性女だとごくりと唾を呑む。
「それを、監視のためとはいえ内側に入った私からどう見えたのか、知りたくないはずないの」
「別に私は知りたくなんか……」
「本当に? 他でもないこの人間関係のスペシャリストである私の評価を、どこが子供ではなく大人だと思ったのかを、本っ当に知りたくないの?」
笑みを崩さず小首を傾げた彼女にドキリとする。
別に、知らなくても、私は聖女が言っていたように大人。自己分析くらい──