幽霊姫は止まれない!
 私とオスキャルが疑ったクーデター。そんな可能性、優秀な兄や姉たちならば当然気付いているはず。そして疑わしい貴族たちはとっくに調べ抜かれたはずだ。
 それなのに私たちにまで依頼が回ってきたのは、単純に貴族たちから該当者が見つからなかったからだろう。

 だが相手がエルフだったのなら見つからなくても当然だった。
 自身の結婚すら国を回す歯車として捉え、政治の道具としての条件だけで婚姻相手を見繕う王族だからこそ、『愛のために』これだけのことを仕掛ける存在がいるだなんて想定していない。根本的な考えが違うからだ。

「これは、私たちだけじゃ対応できないわ」
「エヴァ様……」
「とりあえず準備を整えて、明日乗り込むわよ」
「エヴァ様!?」
 私の言葉を聞いたオスキャルが愕然とした表情を向けてくるが、仕方ない。

「タイムリミットがあるんだから、どんどん動かなきゃいけないでしょ」
「ちょ、さすがに卿の文句に納得よ!? 対応できないくせに乗り込むって矛盾しすぎだわ!」
「あら。準備を整えてって言ったじゃない」
「あー……。準備が不要ならこの足で乗り込む気だったんですか。正確な場所もわからないのに」
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