幽霊姫は止まれない!
 彼らの製法ならば毒草が薬になるなんて思わなかった、というのはただの言い訳だろう。ローザは毒が時に薬になるということを知っていた。つまりこの状況を、彼にこんなことをさせてしまったのは私たちの責任だ。だから。

「だけど、ごめんなさい」
「エヴァ様!」
 腰を折り頭をさげた私にオスキャルから鋭い声が飛ぶ。だが私はそのまま頭をあげなかった。

「何の謝罪だ」
 エルフの声が先ほどより低くなった。きっと、謝罪自体に苛立っている。
(そりゃそうよ、私の謝罪に意味はない。死んだ命が生き返ることはないんだもの)
 それでも、謝罪しないという選択肢が私にはなかった。王族として頭を下げる意味はわかっている。そしてそれに伴う責任と、危険もわかっていた。
 私が謝罪したことにより、王族が過ちだったと認めたことになる。

「貴方が大切な人を失ったのは私たちが毒草を焼き払うように命じたからよ。これがその結果だと認め、全ての怒りも恨みも私が引き受ける」
「なにをっ」
「その代わり! 今後同じことが起こらないように、力を貸して欲しい」
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