幽霊姫は止まれない!
「その女には王太子を誘惑するように伝えた。近付くための足掛かりも与えたが、ここには王太子がいない」
(お兄様じゃないから失敗ってことね)
だが失敗がそこならばまだやりようはある。
私は緊張に気付かれないよう静かに呼吸を整え、ゆっくりと口を開いた。
「ここに来たことが失敗に当てはまってないのなら、王太子じゃなくても問題ないんじゃないかしら。私のこの色を見てわからない?」
「?」
「……。姫よ! 三女! 私も王族よッ」
気合を入れて問いかけたせいで、『全くわからない』という風に首を傾げられつい声を荒げる。
だが、彼が私を知らないのは私が幽霊姫だからではなく人間の国にあまり興味を持っていなかったからなのだろう。現に私が幽霊姫としてある意味有名な〝三女〟であることを伝えたが、その点にも不思議そうにしていた。
「貴方にとっての成功を聞く前に、王族として言いたいことがあるわ」
「ほう?」
「──毒草が見つかれば全て焼き払う。それは私たち人間にとって危険だからよ」
(そう、人間にとっては……)
(お兄様じゃないから失敗ってことね)
だが失敗がそこならばまだやりようはある。
私は緊張に気付かれないよう静かに呼吸を整え、ゆっくりと口を開いた。
「ここに来たことが失敗に当てはまってないのなら、王太子じゃなくても問題ないんじゃないかしら。私のこの色を見てわからない?」
「?」
「……。姫よ! 三女! 私も王族よッ」
気合を入れて問いかけたせいで、『全くわからない』という風に首を傾げられつい声を荒げる。
だが、彼が私を知らないのは私が幽霊姫だからではなく人間の国にあまり興味を持っていなかったからなのだろう。現に私が幽霊姫としてある意味有名な〝三女〟であることを伝えたが、その点にも不思議そうにしていた。
「貴方にとっての成功を聞く前に、王族として言いたいことがあるわ」
「ほう?」
「──毒草が見つかれば全て焼き払う。それは私たち人間にとって危険だからよ」
(そう、人間にとっては……)