幽霊姫は止まれない!
最終章 これが私と貴方が選ぶ道なら
第百話 いざ、パーティーへ
「まるで薔薇の妖精のようだ。そんな貴女のエスコートに選ばれるなんて、これ以上の光栄などないでしょう」
ファッシュ公爵家から招待されたパーティー当日。
玄関ホールで待っていてくれたサイラスは、姿を現した私をソツなく褒めてくれる。恥ずかしげもなく、むしろ当然のように与えられる賛辞に、そっと手の甲に落とされた口づけ。そのどれもが自然で、嫌味なども感じない。
白を基調に、金糸の刺繍を施した礼装。その左肩には薄青のショルダーマントが羽織られ、金色のチェーンで固定されている。チェーンの留め具に使われている模様はプレゼントされたピアスと同じものが刻まれていた。
その姿はまさに正統派の王子様で、その礼装を堂々と着こなす姿も含めて格好いい。きっと今日の会場で、令嬢たちの視線を独り占めするだろう。
そんな彼から真っすぐな賛辞を貰い、そしてそのまま彼の手を自然な流れで取る。
一連の流れはとてもスムーズで、私たちの様子にうっとりとしたため息が、見送りに出て来ていたメイドたちからいくつも聞こえてきていた。
(きっと、オスキャルとならこうはならなかったわね)
ファッシュ公爵家から招待されたパーティー当日。
玄関ホールで待っていてくれたサイラスは、姿を現した私をソツなく褒めてくれる。恥ずかしげもなく、むしろ当然のように与えられる賛辞に、そっと手の甲に落とされた口づけ。そのどれもが自然で、嫌味なども感じない。
白を基調に、金糸の刺繍を施した礼装。その左肩には薄青のショルダーマントが羽織られ、金色のチェーンで固定されている。チェーンの留め具に使われている模様はプレゼントされたピアスと同じものが刻まれていた。
その姿はまさに正統派の王子様で、その礼装を堂々と着こなす姿も含めて格好いい。きっと今日の会場で、令嬢たちの視線を独り占めするだろう。
そんな彼から真っすぐな賛辞を貰い、そしてそのまま彼の手を自然な流れで取る。
一連の流れはとてもスムーズで、私たちの様子にうっとりとしたため息が、見送りに出て来ていたメイドたちからいくつも聞こえてきていた。
(きっと、オスキャルとならこうはならなかったわね)