幽霊姫は止まれない!

第百九話 答え

「今他に好きな人がいるのは構わないんだ。だって口説く時間は圧倒的に勝ってるからね。だけど、大事な時に頼って貰えないってのは辛いかなー。ま、その上で国が決めた結婚相手がそうなら、もちろん王子だからね。その決定に従うし尊重だってする、歩み寄る努力もするけど」
「でも、私たちの結婚は」
「そ。俺が勝手に申し込んだもの。もちろん相手を選んだ上で、だけど。エヴァの心も欲しいって思っちゃうだろうなって気付いたから、俺は引くよ」
 私とサイラスの結婚は、政略的に問題がないから進めてもいいという結婚だ。政治的に必要だったから申し込まれたものではない。

 互いの意志が固まったあとに、父である陛下に申し出るもの。国からの指示ではなく、個人の感情で選んだ相手。

 もし私たちが先に『政略結婚の相手だから』と知り合っていれば、きっと当たり前の顔をして手を取り合ったのだろうと、離れていったサイラスの手を見つめる。
 この手が私の手に重なることは、きっともうないのだ。

「でも、エヴァは大親友アルゲイドの妹だからね。これはサイラス・オルコット個人としての、最初で最後のプレゼントだ」
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