わけありくんを護ります
襲来
ヨイヤミ
かまいたちとの乱闘から数週間、かまいたちは完全に解散となったらしい。
校内を歩いてるだけで、かまいたち解散の話が聞こえてくる。
まぁあの総長さんだしね、名ばかりではやっていけないでしょ。
「かまいたちはもう怖くないね、比江島くん」
「はい。でも、本命というか……俺を追ってくるもう1つのとこはまだ……」
「……そうね」
本来、ボディーガードの私は組織つぶしではなく、組織からねらわれてる人を護るのが仕事。
だからかまいたちの時も、依頼には関係ないし加勢はしなくて良かった。
ただ、楽になるって理由で加勢したけど。
でも、強瀾のトップとそれなりに良好な関係を築けてるし、同じように乱闘して解散させた方が……比江島くんの安心度は高くなる。
だからって協力してください、なんて言えないもんなぁ……
「……っ!芝桜!比江島!」
「ひゃ」
「松野くん?」
移動教室から戻る途中、松野くんが私たちのもとへ走ってきた。
「探したぞ!ちょっと来い!」
「え?ちょっ……」
松野くんに腕を掴まれ、生徒会室へと連行された。