わけありくんを護ります


「バン、助っ人連れてきたぞ」
「凛ちゃん、比江島くん……!」

中に入って私たちの顔を見るなり、竹森くんは安堵の笑みを浮かべた。

でも、すぐ下の方を見て驚いた表情に。

「あ?バン、どこ見てんだよ」

「いや……マツが女の子の腕つかんでるから。すごいなって」
「あ?……ひゃぁあ!?」

「おっと」

竹森くんの視線をたどり、自分のつかむ先を見てすぐに飛びのいた松野くん。
飛びのく前になぜか私を思いきり押すって……しかも比江島くんに受け止められたし。

「凛さん大丈夫ですか?」
「全然平気。ありがと」

「だめだよマツ、驚いても女の子を押すなんて。比江島くんがそばにいたからいいものの」
「だ、だっだ……だって仕方ねぇだろ!今回は悪夢だ!コイツらを連れてきた俺に感謝しろ!」

すんごい動揺してる……というか、悪夢?
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