わけありくんを護ります

疑問に思った時、上機嫌な梅木くんが奥から出てくると、お重を2個テーブルに置いた。

あー……なるほどねー。

梅木くんに何があったか知らないけど、またむしゃくしゃして、今度は──

「じゃーん今回はマフィンちゃん!」

とんとんとんっ、と慣れた手つきでお重を広げられ、身構えながらも一応のぞきこむ。

「プレーン、チョコ、抹茶ーの3種類!」

ぎっしりマフィンが入ったお重が6つ並ぶ。

「ほう……」

事を理解した私は、目を細めて松野くんを見た。

「な、なんだよ……っ」

女子が苦手とか関係なく、私は松野くんの腕を引き、小声で話した。
< 102 / 208 >

この作品をシェア

pagetop