わけありくんを護ります
2つのメッセージ

警戒




『ペットボトル俺があけます!』

『自分であけられるから』

『転んだら危ないからつかまって下さい』

『簡単に転ばないから平気』

『布団は俺がなおします!許可下さい!』

『布団は……いいよ』


ヨイヤミの男の子のせいで手のひらを少し怪我した日以来、朝から晩まで、トイレやお風呂をのぞいては、比江島くんが半径2メートル以内にはいる……気がする。

包帯もしなくていいし、薬も塗ってる。
それにもう、治りかけてるって何度も……なん十回も言ってるのに。

完璧に治るまではだめです!の一点張りで、珍しくゆずらないんだから。


でも、トイレに着いてくるのは男の子としてやめなさいって言って、比江島くんを教室に置いてきた。

トイレをスルーしたその足で、私は生徒会室へと向かう。
< 118 / 208 >

この作品をシェア

pagetop