わけありくんを護ります
──翌朝、目を覚ました時、
私の目の前には、背中の穴が閉じた学ランが置いてあった。
それと、床に座り私のベッドに顔を伏せて寝ている……比江島くん。
息、できてるのかな。
少し下を見れば、小さな裁縫セットがあった。
「……直してくれたんだ」
ヨイヤミのことを考えて、私がそのまま寝落ちしてしまったから──
起こさないよう、そっと学ランに空いていた穴のところを見ると、決して綺麗とか上手とは言えない、ガチャボコな縫い方で。
でも、すごくうれしい……
「……ありがと、比江島くん」