わけありくんを護ります



「てめぇ、比江島!ノックなしに入ってくるくらいのいい度胸が育ってるみたいだなぁ?」
「ぎゃあ!ごめんなさい!ごめんなさい!気持ちはノックしました!気持ちは!」

松野くんに胸ぐらつかまれて……もう降参。
どこに耐性ついたって?

「……はぁ、もう戻るから。3人とも、ありがとう」

立ち上がり、礼を言えば比江島くんは松野くんから解放された。

「おう、ヨイヤミを見かけたりしたら、お前らはすぐ逃げろよ」
「もちろん」

またねー、と梅木くんに手を振られ、生徒会室を出てすぐ、私は今のことを指摘する。

「全然耐性ついてないじゃない」
「はい、ちょっと調子こきました……」

やはり安定の比江島くん。
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