わけありくんを護ります

「めんどうだから、2人で来てね」

君たちだけは、全力でいくから。

「……ふざけんな!女だからって」
「手加減しねぇからなぁ!」

あーあ、今の見てなかったの?そんな突っ込んでくると──

「……ぐっ!!」
「ぶっ!!」

私に避けられて、手刀を食らう羽目になるんだよ。
そのまま白目になった2人の胸ぐらを掴み、左右に散らした。

「ありがとう。2人で来てくれて」

「ふはは!全然つまらないじゃない!お前らどうなってんの?女の子にさ……もういいや、乱闘始めよ。亀井」

笑顔から一変して、鶴谷は真顔になった。
ぞくぞくとヨイヤミのメンツが中央に寄ってくる。

「……芝桜、お前の強さは分かったが、アイツの相手は俺がさせてもらうぞ」

松野くんの視線の先には──竹森くん。
元だとしても、松野くんは強瀾の総長だったんだ。十分に張り合える。

「ふーん、マツくんがバンチャンやるなら、ぼくは……りんりんの背中、任せてもらおっかな」
「え?」
「どーせ、あの2人は高みの見物でしょ?それにたまにはぼくも、男前ブンくんを見せなきゃ」

なにそれっ……でも、それなら私は前に集中していいってこと。

「ぼくの背中はお預けしちゃうから」
「おーけー」

私たちもまた中央にの方へ集まると、視線をかわしたのを合図に

強瀾vsヨイヤミの戦いが始まった──


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