わけありくんを護ります

突っ込んでくるのをかわし、首に手刀をあて気絶させた。
あまりのあっけなさに、静まってしまう。

「……歯ごたえなさすぎない?追加で余興をお願いしたいんだけど?どう総長さん」

少し声を張り、伝えれば鶴谷は拍手をした。

「はは、分かってるねキミ。今のでは僕も物足りないと思ったよ。なら今度はキミがやりたい子を選んでいいよ」

「ならお言葉に甘えて……そこの君と、端の君」

指をさして指名する。

「おい芝桜っ」

「いいの」

不機嫌そうな顔で前に出てきた……一番はじめに比江島くんを追った2人。
特徴がノートに書いてあったからすぐ分かった。

──この2人だけは、いくら松野くんたちがいても、ゆずれないの。
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