わけありくんを護ります


「ねぇ……」
「はい?」
「3階は女子、2階は男子って聞いてるんですけど?」
「らしいですね」

「……らしいですね、じゃなくて!部屋ガラガラだとも聞いてたけど!?違うの!?」

そんな抗議(こうぎ)を私はベッドに座りながらしていく。

「男子はそれなりに埋ってるみたいですけど、3階は芝桜さんだけ。完全に赤字ですよね、こんなの」

そんなこと誰も聞いてないって。

「……と言うか、寮長にチクるからね!こんなことあり得ない。男女別部屋が当たり前でしょ!いくら依頼主とボディーガードだからって寮とルームシェア同じにしないでくれる!?」

強気に伝えてやるも、なぜか全く動じる様子はない。
それならもういい。今すぐ喜八さんのとこにいってこよう。

「戻ってきたら覚えてなさいよ!」

と、私は勢いのままに受付へと走った。
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