わけありくんを護ります
──ほどなくして私が落胆して部屋に戻ると、比江島くんはベッドでくつろいでいた。
「あ、お帰りなさい。どうでした?そもそも俺は同室と聞いてたんですけど、社長さんから」
「へぇ社長ね。しゃちょう……今、社長って言った?」
「はい」
ふうん。へぇ、なるほど?
手紙に書いてないし、前もってそんな話なかったのに……!!
私に任せるなら一言でも教えといてくれもいいでしょうが!
でもやっぱり……男女同室なんてあり得ないよね?
世間一般的に喜八さんだって、はやく別の部屋に……と言ってくれる。
100%の自信を持って話せば……
『……そーお。ま、構わんな』
『え?』
何度か私が部屋移るか、彼を戻してくれとたのんだものの……
何故か大丈夫、とだけしか言われなくて。
何が大丈夫なのか、わからないままにがっかりしながら部屋に空戻りという──