わけありくんを護ります

「そんなに聞いてくるってことは、こっち側に用事でもあるの?」
「い、や!……そうではないですけど。一応ボディーガードが出来る同い年とか、絶対強いでしょう?」
「だから?」
「俺が万が一寝ぼけたりして、この線を越えたらどんなバツがあるのかなぁ、と思いまして……」

なるほど、意図的ではないハプニングにふまえた質問ってことね。

ふうん、と私が相づちをうてば、比江島くんはハラハラした顔で私の答えを待っている。

「……じゃあ許可ありの場合は0円。無断&ハプニングは200円、ってことでどう?」
「痛いことはなし?」
「そっちがいい?私の拳も蹴りも痛いと思うけど……それでもいいなら」

「滅相もないです。勝てる気しないので!前者でお願いします!」


こうして、部屋のルールを決めた私たち。

1人の時間はのぞめないけど、依頼とあらば仕方ない。
父が私に任せてくれた依頼──この頼りない男の子を護ること。



……必ず、やりとげてみせる。
< 50 / 208 >

この作品をシェア

pagetop