わけありくんを護ります
尋ねると、梅木くんはスキップで私のもとに来て、こそっと言った。
「2年生でお名前はね、松野峻って言って……女の子苦手なのっ」
顔怖いのにぃー!、と笑い始める。
「こら、ブン。そう言うこと言わないの」
「だってほんとーだもん」
ゲームをやめた竹森くんが軽く注意すると、梅木くんは口をとがらせた。
「な、なんで女がいんだよっ……つか、なんでそんな楽しそうなんだお前らは!」
私をちらちら見ながら、女の子が苦手だという男の子は梅木くんと竹森くんを指差す。
「なんかぼくらの顔見に来たって」
「は……?」
松野くんから焦りが消え、一瞬にしてするどい視線を私に向けた。
なんのために、答えろ、という視線を。