青い便箋
中学3年の初夏、遥香は友達と初めて横崎高校の文化祭に訪れた。よその学校の文化祭に行くこと自体、初めてのことだった。
少し大人の雰囲気漂う高校生の文化祭に、ドキドキ、オロオロしながら足を踏み入れた。
ノリの良い高校生達は、相手が誰であっても楽しませようと盛り上げてくれる。
遥香と友達は、高校生達の上手な盛り上げに上手く乗せられ、どんどん夢中になった。学校中を把握してしまうくらい動き回り、楽しんだ。
模擬店の食べ物を頬張ったり、お化け屋敷や迷路、クイズにダンスやカラオケのコンテスト…たくさんの催し物に参加したり観たり、どれも楽しくてしょうがない。
キラキラと輝く高校生達に、遥香は「自分も来年、こうなれたらいいなぁ」と、淡い憧れを抱いた。
歩き疲れたところで、中学生2人組は、行き着いた体育館の床に座り込み、ジュースを飲んで休憩した。
ふと、体育館にどんどん人が集まってきていることに気づく。
どうやらこれからエントリーした数組のバンドが数曲ずつライブをやるらしいということが、受付で渡された手製のパンフレットを確認してわかった。
「せっかくだからちょっと見て帰ろっか」
ガールズバンドやヘビメタ系、お笑い系コミックバンド…、次々登場する高校生バンドに、中学生2人組はまたもやすっかり魅了され、少し見たら帰ろうと話していたことは、どこかに吹っ飛んでしまっていた。
そして、ラスト。トリを務めるバンドが始まった。
その瞬間、このバンドだけ、演奏技術もボーカルの歌唱力も、他のバンドよりずば抜けていることは、ど素人の遥香ですら一目瞭然だった。
ステージ上で見せる自然な立ち振舞、端正な顔立ちから発せられる透き通った声、歌いながら見せるさりげない仕草と微笑み。
遥香はその声と容姿に一瞬で心を撃ち抜かれてしまった。
パンフレットを再度見直す。
バンド名は「BREEZY」。
ボーカル…2年、高杉将希。
遥香は、絶対にこの学校に入ろうと決意した。
少し大人の雰囲気漂う高校生の文化祭に、ドキドキ、オロオロしながら足を踏み入れた。
ノリの良い高校生達は、相手が誰であっても楽しませようと盛り上げてくれる。
遥香と友達は、高校生達の上手な盛り上げに上手く乗せられ、どんどん夢中になった。学校中を把握してしまうくらい動き回り、楽しんだ。
模擬店の食べ物を頬張ったり、お化け屋敷や迷路、クイズにダンスやカラオケのコンテスト…たくさんの催し物に参加したり観たり、どれも楽しくてしょうがない。
キラキラと輝く高校生達に、遥香は「自分も来年、こうなれたらいいなぁ」と、淡い憧れを抱いた。
歩き疲れたところで、中学生2人組は、行き着いた体育館の床に座り込み、ジュースを飲んで休憩した。
ふと、体育館にどんどん人が集まってきていることに気づく。
どうやらこれからエントリーした数組のバンドが数曲ずつライブをやるらしいということが、受付で渡された手製のパンフレットを確認してわかった。
「せっかくだからちょっと見て帰ろっか」
ガールズバンドやヘビメタ系、お笑い系コミックバンド…、次々登場する高校生バンドに、中学生2人組はまたもやすっかり魅了され、少し見たら帰ろうと話していたことは、どこかに吹っ飛んでしまっていた。
そして、ラスト。トリを務めるバンドが始まった。
その瞬間、このバンドだけ、演奏技術もボーカルの歌唱力も、他のバンドよりずば抜けていることは、ど素人の遥香ですら一目瞭然だった。
ステージ上で見せる自然な立ち振舞、端正な顔立ちから発せられる透き通った声、歌いながら見せるさりげない仕草と微笑み。
遥香はその声と容姿に一瞬で心を撃ち抜かれてしまった。
パンフレットを再度見直す。
バンド名は「BREEZY」。
ボーカル…2年、高杉将希。
遥香は、絶対にこの学校に入ろうと決意した。