無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
「なに? 俺を煽ってるのか?」

「煽ってるってなんの話……んっ」

いきなり押し倒されたと思うと、碧人の顔があっという間に近づいてきて、気がつけばキスを交わしている。

「あ、碧人さ……」

とっさに顔を逸らそうとするも碧人の動きの方が早く、両手で顔を固定される。

「あっ……ふ、ん」

いつの間にか唇を割って口内に滑り込んできた碧人の舌が、我が物顔で動き始めた。

熱い塊が縦横無尽に動き、頭の中がかーっと熱くなっていく。

ただでさえ今日はふたりきりで雪の庭園を楽しみ、結婚のお祝いに涙を流している。

ほんの少しの幸せでも心も体も大きく反応して、また泣いてしまいそうだ。

「美月……」

すると碧人は強く押しつけるようにキスをして、美月の身体を抱きしめたままラグに身体を横たえた。

「ライバルには負けられないからな」

荒い呼吸の合間、碧人は美月の髪に顔を埋めささやいた。

美月が蓮人の頰にキスをしたのが悔しいらしい。

子ども相手に嫉妬しなくてもと思いつつ、自分も同じ気持ちだと思い出してクスリと笑った。

この幸せがいつまでも続きますように。

今日心の中で何度も繰り返した言葉が今も繰り返される。

「どうした?」

肩を揺らした美月の顔を、碧人が覗き込む。

「碧人さん、私」

美月はまだ熱い碧人の身体にしがみつくと、つかの間思いを巡らせゆっくりと口を開いた。

この幸せがいつまでも続きますように。

その願いを叶えるためには、やっぱりこれが最適解だ。

「私、会社を退職しようと思うんです」



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